先日、単身赴任の父に、そっちは、寒くないのかいと心配になり聞いたんです。すると、昨年、石油ファンヒーターが動かなくなり、電気のセラミックファンヒーターがあるから、大丈夫とのこと。
その石油ファンヒーターは、ダイニチ ブルーヒーター FW-25S3。3年ほどしか使っていないため、捨てるのも勿体なく。小型で安かったこともあり、お金を出して修理するより、新品に買い替えた方がとも思ったらしく、とりあえず、物置に入れたままにしていたそうです。
父は、そこまで遠くに住んでいる訳ではないため、その石油ファンヒーターを持ってきてもらい、私が修理することになりました。
数日後、父がやってきて、石油ファンヒーターを箱に入れ、車の後部座席にのせて運んできたのですが。箱が斜めになっていたため、灯油が漏れて箱に染み出し、中を見ると石油ファンヒーターの下の金属の板にも、灯油がたまった状態でした。
漏れた灯油は、どうするかなのですが。新聞紙に灯油を吸わせて、後は、しぼった雑巾で目に付くところを綺麗にふくだけです。新聞紙が無い時は、キッチンペーパーでも良さそうです。
灯油がしみ込んだ新聞紙は、燃えるゴミとして指定袋に入れて出しました。地域により違いがあり、少量の灯油でも燃えるゴミで出せないところもあるため、確認が必要です。
コンクリートに少量の灯油をこぼしてしまった場合は、最初、濡れたような状態になり、2,3時間放置すると灯油が揮発し、元の状態に戻ります。
石油ファンヒーターの使用については、傾いたことで灯油が少し漏れたくらいなら、見えるところだけ綺麗すれば、問題なく使えます。最初は、温風が灯油くさいため、しばらく、換気しながら使えば、元の状態に戻ります。
ここから、HHHのエラーで動かなくなった石油ファンヒーターの修理になります。普段、問題なく使えていたものが、3年ほどで動かなくなった時には、気化器のニードル(尖った針のようなもの)が黒くススだらけになり、不完全燃焼を引き起こし、停止というのが大半です。
どうして、そうなるかは、気化器の中を灯油が通り、バーナーに灯油を噴射するのですが、その灯油の量をコントロールしているのがニードルです。
気化器にヒーターも付いているため、使用中は、通過する灯油とニードルは、熱せられた状態になり、これが、2,3年使い続けるとススだらけになります。
ニードルがススだらけになると、灯油を噴射する量が減り、不完全燃焼でバーナーの炎が赤くなり始め、酷くなるとHHHで停止となります。
古い灯油を使うと、ススが出やすくなります。古い灯油の見分け方は、灯油が透明ではなく黄色っぽかったり、ニオイが酸っぱかったり、煙に刺激臭があったります。
紫外線や温度変化、酸化したり、ゴミや虫などが入ることで灯油が傷むため、国民生活センターでは、前シーズンから持ち越した灯油の使用を避けるよう求めています。灯油の保存期間は、明確に定められていないようですが、石油業界では、半年だそうです。
いつまで寒い日が続くか分からないこともあり、次のシーズンに持ち越さずに灯油を使い切るのは難しいです。
余った灯油の処分方法は、廃油処理ができるガソリンスタンドに持ち込み、無料のところもあれば、500円ほどかかることもあります。セルフのみのガソリンスタンドでは、灯油の持ち込みを行っていないところがほとんどです。ホームセンターでは、灯油の購入者のみ古い灯油が持ち込めることもあります。
話が長くなってしまったのですが、早速、修理に取り掛かります。石油ファンヒーターは、火を扱うものでもあり、十分気を付けて行う必要があります。難しい作業ではないのですが、火気厳禁で丁寧に。
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必要なものは、このくらいです。ちょっと大きめな『プラスドライバー』、『小さめのレンチ』、『ペンチ』、『紙やすり』です。紙やすりで黒くなったススを削り取るため、少し粗めな方がやりやすいです。
これに、汚れを落とす『クリーナーキャブ』もあれば、完璧です。クリーナーキャブは、金属パーツに付着した汚れを落とすもので、カーボンやオイルミストなどの汚れを除去します。
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最初に石油ファンヒーターの下にあるネジを2つはずします。後は、軽く上に持ち上げると、正面のカバーが外れます。
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赤い円の部分をレンチでゆるめます。後は、固定している2つのネジを外せば、気化器とソレノイドの部品が外れます。
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これが、気化器とソレノイド(電磁石)です。
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気化器とソレノイドの接続部分にあるネジを外せば、分解できます。横に固定する板があり、知恵の輪のような感じで、角度を変えて、引っ張ったりすると取れます。
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引っこ抜いた筒状の先をペンチで摘まんで引っ張れば、スプリング、小さなスプリング付きの棒、その先に、問題のニードルになります。
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これが、ススで汚れたニードルです。これを紙やすりで綺麗にして、クリーナーキャブを吹き付けて洗浄。
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ニードルが入っていた筒の中、筒に入っていた部品も同じ様に洗浄します。後は、部品が乾いたら、組み立てるだけです。
クリーナーキャブは、洗浄した後、すぐに乾くのですが、ニオイがきついため、屋外でやった方が良いです。
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筒に戻す時の順番は、ニードルを入れて、次にスプリング付きの金属の棒、大き目のスプリング、先ほどペンチで引っ張ったフタです。
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最後に、HHHのエラー解除です。やり方は、石油ファンヒーターの電源コードをコンセントに差し込み、HHHが表示された状態で『-』ボタンと基盤の白いボタンを長押します。
ピーと音が鳴り、リセットされて、HHHのエラー表示が消え、元の状態に戻ります。バーナーの炎が青いことを確認して、完成です。
自分で修理すると自己責任になるのですが、専門業者さんにお願いすると、安く済んでも7000~8000円、これ以上かかることも普通にあります。
小型の石油ファンヒーターの場合、修理費と新品の価格が近いため、修理するなら買った方が安くなることもあります。
普段、全く問題なく動いていて、急にHHHで動かなくなったら、ニードルのススが原因かもしれません。